CROSSCOOPからインタビューを受けました。新コロ以降のシンガポールは!?

僕が2010年7月より株主を続けているソーシャルワイヤー(2010年7月~2015年5月:取締役を務めました。)に対して、当初ご提案したビジネスシーズは、シンガポールにてレンタルオフィスを行うというものでした。
そのアイデアは一年後の2011年7月1日にCROSSCOOP Singaporeとして実現し、その後、ジャカルタ、ホーチミン、デリー、マニラ、そしてバンコクへと広がっていきました。僕自身は往時、シンガポールそしてデリーのCROSSCOOP運営法人の取締役もそれぞれ務め、2017年12月末にその任も降りています。
そんな僕に対して、このたびCROSSCOOP SingaporeのFacebookページから、珍しく公開用のQ&Aを頂いたので、喜んで回答しました。ということで、駄ブログにも再掲させてもらいます。

 

質問:2011年の立上げ時からクロスコープは9年目に入りました。この9年の間でシンガポールが大きく変化したと思う点を教えてください。
加藤:9年でいちばん変わったなー、と実感してるのは外国人雇用、永住権取得のハードルが上がったなぁ、と思います。 5月からEP(エンプロイメントパス)ビザ取得にあたっての発給基準となる最低基本月給額がS$3,900に引き上げられます。…ここは隔世の感がありますねぇ。 このたびの新型コロナウィルスの世界的な流行で、企業と個人の行動様式の変化が世界一斉に起こります。 これによってシンガポール法人の役割、シンガポールに物理的に居て働く人材の役割は明確化/顕在化するのは間違いないと思っています。

 

質問:複数の企業を経営、出資を行っていらっしゃる加藤さんですが、幅広く活動するうえでのモットーを教えてください。
加藤:平素より意識してアンテナ(好奇心)を幅広く高く上げておくようにしています。 そしてインプットから得られた気づきやヒントをわりと一生懸命twitter、facebook、ブログでアウトプット=言語化してます。 この繰り返しで次なる出逢いに繋げてきたかな、と思います。 現在25社内外の法人に参画していますが、スムースに意思疎通するための心掛けとして、 どの会社も通常のやりとりは社長おひとりだけとしています。

 

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今回は、9年前のCROSSCOOP Singapore設立にあたり、ご一緒にやらないか!とお声をお掛けし船に乗ってもらった関泰二さんにもQ&Aの声が掛かっていました。

 

質問:2011年の立上げ時からクロスコープは9年目に突入しました。 この9年の間でクロスコープが大きく変化したと思う点を教えてください。
関さん: 私は2011年の立ち上げ時から今まで、誰よりもクロスコープシンガポールで過ごしている期間が長い人でありますが、利用者のオフィスに求める機能そのものが変わってきたなあと思います。 今は執務場所を提供するというオフィスの従来の環境(機能)を求めているのではなく、コーワーキングスペースなどを利用して違う会社の人々が出会い、新しいビジネスが生まれるような環境( 機能)を求めていると感じています。 そいういう意味ではクロスコープもそういった環境づくりに力を入れるようになってきたのが大きな変化だと思います。 またCovid-19と共に生きていかなければならない今後の世界では、クロスコープ としていかに顧客に有益な情報発信をしていけるかが重要だと思います。

 

質問:COVID-19の影響で世界が大きく変わろうとしています。 今、逆境に立たされている日系企業に一言お願いします。
関さん: 既存のビジネスではカバーできないような新しい働き方や生き方が求められくる時代になってくるかと思います。 これまで以上に確かな情報収集して、その潮流にあった方法で既存のビジネスのやりかたを変えたり、新しいビジネスを創っていくことが求められます。 ちなみに私はこのような時代をくるかもしれないという予測から、パートナーとともに5年前からコツコツと築き上げたサービスがあり当初からリモートワークにこだわってきました。 現在世界中に分散している約100名のスタッフをシンガポールから完全リモートで動かして顧客へ情報提供しているサービスをつくってきました。 それがビズラボ https://bizlab.sg/ という個別相談・調査サービスです。

 

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おっ!実は ソーシャルワイヤー株式会社の取締役副社長であり、同じくクロスコープシンガポールをご一緒に立ち上げた1人でもある庄子素史さんにも質問が投げられていましたね。

 

質問: シンガポールでビジネスをするうえで、重要な点を教えてください。
庄子さん: シンガポールの強みを生かしたビジネス展開を想定すること。 シンガポールにおける水資源、都市開発、緑化、IT、エネルギー、航空宇宙産業などの強みや、 多国籍な豊富なタレントの採用、グローバル企業とのアライアンス、税制、外資規制が少ない点など、この国を生かすビジネス展開を描けるかどうか重要なポイントと思います。 また、高次かつ主要な機能をシンガポールに集約しこの国の仕組みを活用して、周辺国や諸外国へのビジネス展開を行い、シンガポールに収益を集積するメリットを作れるビジネス分類なのかどうかもポイントではないでしょうか?
日本より国土が小さく、人口も少なく、且つ多国籍なバックグラウンドでもあるため、付加価値の考え方が日本と少し異なるように思います。 従いまして、シンガポールにおける高い付加価値というものが何かを把握した上で、日本の技術力を生かせるかどうか、そこにビジネス機会を創出できるか、が重要ではないかと思います。

 

質問:COVID-19の感染拡大を受けて、今後オフィスや人々の働き方はどのように変化していくと考えますか。
庄子さん: オフィス分散とリモートワークへのシフト
私にも色々なご意見が寄せられます。 リモートをしてみてオフィスが不要だったと感じた方、リモートの非効率さを感じた方、それは個々人で様々ですし、業種や職種、または働く価値観によっても感じ方は大きく変わるかも知れません。 それを踏まえて、私はアフターコロナでは働き方とオフィス環境にはリスク管理の概念がより濃く取り込まれると思います。 非常食を配備しておくとかそういうことではなく、今回のコロナを通じて有事の際に1か所に機能を集中させているリスクが顕在化したと言えるでしょう。 日本でも大企業が本社でコロナ感染者が出た瞬間に、本社ビルに勤務する全員が一斉に出社停止となり、かなりの混乱がありました。
オフィスを分散することは非効率な部分もありますが、非効率なのはコミュニケーションの分が大半であり、そこはウェブ会議の環境として高速ネット回線、クリアな画質、VR技術が進歩することで解決できる部分も多分にあると感じます。また、固定電話を廃止し、SNSやチャットを使いこなすことで、リモート環境は推進されます。 従いまして、週に2日は自宅や好きなカフェで働きつつ、週3日はオフィスで働く、そしてオフィスの固定席はなくなり、全てフリーアドレスまたはコワーキングスペースでの執務となり、オフィスへ行く動機は同僚とのリアルなコミュニケーションによるモチベーション維持、組織への帰属意識向上といった精神的な部分に意味合いがシフトするのではないかと推察します。 また、大企業ほどオフィスを分散し、有事の際にも全機能が停止とならないようなオフィス分散の流れは加速していくと考えられます。

 

質問: 最後に、今後シンガポール進出を目指す企業や人に一言お願いします。
庄子さん: 海外でビジネスをすると、アンフェアだと感じる部分や納得いかないことも多々ありますが、シンガポールはいたってフェアな国、システムで運営されていると思います。 旅行先としても魅力がありますが、感性だけではなくシンガポールの機能面を活用して、一人でも多くの日本人ビジネスマン、起業家がシンガポールをハブにして正解に羽ばたいていかれることを願っております。

 

なるほど…!関さんも庄子さんも さすがのご回答、と思いました。
せっかくなので開業まもない頃に3人で撮った若かりし写真でも晒しておきましょう。

 

庄子さんはソーシャルワイヤーの上場間もない2016年6月にハフィントンポストでCROSSCOOPの海外事業について総括されています。こちらもあわせて是非どうぞ。
■ 「海外で働きたい人の答えは”海外”にしかない」徹底した現場主義が築いたアジアでの働き方〜クロスコープシンガポール代表取締役 庄子素史さん〜