私も履歴書 13 |イベント系サークルからの仕事。

 

「最近、東京によく行っているのはな、会社始める前からそうではあったんやけど、関西の大学生向けの販売促進系の仕事がけっこうあるからなんや。
これらの仕事は、去年や今年のキャンパスバンケットの人脈からもけっこうきている。
僕は頷きながら
「ですよね、今やってる富士銀行さんの学生専用のクレジットカードClub efの新規入会一人5000円のも、東京の西川りゅうじんさんからの案件ですもんね。」
西川さんは、6月に夜行バスで参加したキャンパスバンケット’87の主催団体キャンパス・リーダーズ・ソサエティの初代代表(’84)でした。
真田さんは続けた。
「せやねん。こうやって大阪におっても、クレジットカードの新規入会やら、海外の卒業グループ旅行斡旋やら、高校の卒業名簿のコピー集めやら、大学構内でのサンプリング、ビラ配り、ポスター貼りやら、タバコやビールのサンプルの配布やら、ディスコや、プールバー、飲食店でのタイアップ営業やら、ようさん仕事がくるやろ、東京から。」
「はい。リョーマに改組してから、更にネタ増えてますよね。」
「俺らが株式会社になったことで、仕事が請けやすくなったんや。
それも今までは東京のイベント系サークルとか、パーティー屋あがりの学生企業からやったけど、最近では直接、販促会社や電通・大広などの大手広告代理店、リクルートなんかが獲れだしている。これはチャンスや。」
あいかわらず、東京のイベント系サークル、Y-TRAP、GALA、to-a-T project、EPIC TWIN SYSTEM、TRANSWAVE、・・・ などの名は轟いていました。
それらは在京の大学生が遊びや金儲けを目的に結成した団体でした。その中には、リョーマのように、その活動の過程で、株式会社に法人成りしたものもありました。
真田さんは、マイライセンスを始める前から、彼らが東京で受注しているプロモーションの仕事の、京阪神の展開を請けていました。
僕らのライオンズマンション新大阪第三の1108号室にあった事務所には、、開設当初から、真田さんを訪ねて、いかにも(今で言う)イケメンな感じのお兄ちゃんたちがしょっちゅう東京から来てました。、、、その東京のイベント系サークルの幹部の皆さんです。
僕はひとり事務所で、彼らからの電話を受けたり、大阪そして東京でのミーティングをアレンジしたり、お茶を出したり・・・しつつ、真田さんと彼らのやり取りをよく取り次いでいたものです。
彼らイベント系サークルは、それぞれに傘下にディスコでの貸切パーティを開催するインターカレッジ・サークルを数十から百近く抱えていました。そして、その活動に対して、大学生むけのプロモーション活動を発注してくれる協賛企業を集めていました。
僕のボスである真田さんは、彼ら東京のイベント系サークルが自分たちで京阪神でも展開している、とクライアントにうそぶいていた、その関西のサークルの取りまとめのようなことをしていました。
そう、東京の彼らは、クライアントには関西にも自団体の傘下サークルがある といって企業協賛を取ってました。もちろん関西の人間/サークルが、東京のイベント系サークル/学生企業の傘下になど、あるわけがありませんが。
東京でイベントの規模や動員できる人数を水増しし「50店舗合同ディスコパーティー」などと標榜して協賛を取り付けていたのです。中には大手広告代理店が間に入り、数千万円といった大規模な協賛もありました。
僕らは、彼らの意向を大阪で受け、たまたま同じ日程でディスコの貸切パーティをやっている学生団体に連絡をとり、東京から届いた協賛企業からの商品サンプルや、広告がたくさん載っているパンフレットを現地で配るという仕事を毎週末こなしていたのです。
で・・・僕の仕事は、これらサンプルやパンフを、貸切パーティをやっている週末のディスコの出入り口で配っている様子の写真を撮って簡単な報告書に添付する、だけという簡単なお仕事でした。 毎週土日の午後w。
そういえば、日産自動車、JTB、富士重工、寶酒造、リクルートインターナショナル、ジャックス、ミズノ、日本たばこ、RJレイノルズ、フィリップモリス、などは、彼らイベント系サークルの開催する大規模イベントによく協賛していました。僕は東京では、ずいぶん大手の企業から仕事が貰えるものだ、とたびたび感心したものです。