タンス預金の消費なんぞ当てにしちゃいけない

2020年4月18日

戦後60数余年間、ずーっと日本は世界二位の潤沢な内需消費に支えられてきました。
車や家電、住宅のメーカーが何社あっても、ちゃんと売上も利益も毎年伸ばしていけるほどの消費がありました。

ただ21世紀となり、いまや日本という国の右肩上がりの時代は既に終わりました。日本は世界の先進国に先駆けて、人口&実質GDP純減の超高齢化時代に入っているのです。

しかし麻生さんも民主党もマスコミも、内需を積極的に刺激すべきだ、と言ってます。

加藤は、その根拠としてよく挙げられてる 日銀がはじき出したタンス預金とかをウソだと言っているのではありません。それを当てにしたマーケティングをすべきじゃない、と思ってるのです。

95年に5兆円程度程度だった「タンス預金」が30兆円になったってことですが、その理由として、銀行に対する不安で、定期預金をおろして現金で持つ動きが広まった って記事が多いんですね。

これは、すごい誤解釈だと思います。
日本の銀行の経営が不安だ、とか思ってる人なんて、何人いるのか。
(日本は、ほぼ0の金利で、預金者が納得して120兆円もの資産を銀行に貸している特異な国です)

そうじゃなくて、これは世界一高い!相続税や所得税をきちんと納めようという人が減っているってことではないでしょうか。

とうの昔に 制度が崩壊している=子・孫の世代には期待できない 年金にかわって、資産を「タンス」に移して課税を回避しようとしている、一部の民意の反映だと思います。

そりゃ、政治家は財産公開しないといけないからタンス預金多いと思うし、官僚は賄賂を顕在化できないから隠してるとは思うけど、そもそも一般の民間人はチト刺激されたからってタンスから出してパーッと遣うほど、そんなに持ってないって。
(金融危機で40億円の損をした、とのたまうアルカイダの友人の友人のような奇特なお金持ちがこっそりまだいるのでしょね)

消費とは若い世代のものです。たしかに資金源は爺さま婆さまかもしれませんが、遣っているのは若者・若い親なのです。
超高齢化社会は、超消費減社会です。レジャーもお洒落も食も、生活レベル向上の意欲も、歳と共に細っていきます。

故に日本という国が国力を落としていくのは避けられません。国力の源である若い人口が減っていくからです。

そして、この問題に対しポジティブな対策は、選対的ポピュリズムとしか思えない「全世帯に6万円配る」※とかで消費を刺激(苦笑) ではなく、人口増大策を積極的に打つことだ、と思ってます。
そのための少子化策は確かに希望の光としてとても大事ですけど、短期では効果は得られません。積極的な移民増加施策をいま検討すべきでしょう。

いっぽうで生活者の消費という側面で世界を見れば、21世紀はアジアの世紀です。GDPも実体経済も新しい消費者もアジアが世界をリードしていきます。そいえば中国はモノスゴイ内需刺激策を発表しましたし。
これからの成長企業には、日本市場ではゼロ成長上等の覚悟で、エース人材や主要事業の拠点を、アジアに移転することを考えてほしいと思っています。

※全世帯対象の定額給付金はあまりに狂気なバラマキ案だったので見直しされるみたいですな。世論もネガが大勢ってことで、日本もまだまだマトモな人の方が多いことに安心してます