上海万博そして電脳鎖国。中国についての雑感

2020年5月14日

先週末(9/10-13)は上海に行ってきました。
着いてまず驚いたのは地下鉄。前回同様マグレブ(リニアモーターカー)で浦東空港から市内に入ったのですけど、あの頃建設中だった地下鉄の新線が全部できてましたよ。
いまや12線が開通。そう遠くない未来、世界一と言われている東京の地下鉄の駅数も乗降客数も走行距離も抜くことでしょう。

万博。とにかくデカイ!総面積は東京ドーム40個分(約328ヘクタール)。さすが二万世帯超の家を立ち退かせて作った会場。広大な跡地の利用方法が気になります。

一日の入場者数は50万人以上。想像つかないでしょ。人人人・・・・座れる場所はほとんど無いので、会場で一番見かけたのは折りたたみ式の手持ち椅子でした。

どのパビリオンも結構待つわけですが(特に中国館は別格)中でも並ぶのは、スケールと予算の大きな先進国のパビリオン。一番人気のサウジアラビア館(8~10時間待ち)、次いで日本館(5~6時間待ち)、韓国館、ドイツ館、イタリア館、フランス館あたりが3~4時間待つのが普通ということでした。まぁこのへんを見れて一日一つってところだと思います。

さて、そんななか僕等が入場に挑戦したのは、その中国館そして日本館です。
幻の中国館整理券をコソーリ闇の世界から入手した我々は、恐々としつつも整理券所持者向けの列に並び待つこと20分・・・・。見事、程なくゲートが開き、整理券回収のオサーンにより、柵の向こう側に導かれました。
すると、ボーっと列に並んでいた人たち(数百人)が一斉にものすごい勢いでゲートの中に吸い込まれていきます。
ここで、僕はまさに【半ばパニック状況に陥っている人々の濁流】という光景を目の当たりにしました。これだけでも行った甲斐を感じるほど凄まじさ。

そして激流に身を任せつつも中に入ることが出来、一瞬『ああ、これで直ぐに中に入れるのか!』と歓喜も束の間・・・。柵の内側には更にとんでもない人々の量。パッと見たところ、その数2000人はいるのではないか・・と。目前の光景はまるで『レッドクリフ』か『300』です。

マジで!?。日本館ツアーの約束が後につかえていたこともあり、係員さんに『あと何分くらいで、実際に中に入れるのでしょうか?』と尋ねたところ『1時間半』と即答。

整理券あっても、そんなに掛かるの・・ね・・。せっかく無理に入手して頂いた整理券でしたが、僕等は泣く泣く入場を断念、日本館へと向かうことに。

まぁでも万博が終了後に外国パビリオンが取り壊された後も、中国館だけはそのまま残っている可能性が高いと思います。万博が終わってから観に行きましょうや!

次もたいへんな待ち時間を要する日本館。この日も5時間待ちということでしたが、こちらは関係者として入館。じっくり見学する事ができました。

長時間待って入場された多くの皆様も、たいへん満足そうな表情で会場をあとにされていたのが印象的でした。
この日本館、トヨタ・三菱・パナソニック・キャノン・日立・・・といった日本の代表する企業の協賛・協力によって運営されており、オールジャパンの粋といった好印象を受けました。こちらは興行としても大成功ではないでしょうか、ね。

その他にも上海滞在中は、
・上海市街地・話題の新業態店等の視察、
・PanAsia Partners上海メンバーとの打ち合わせ+訪問調査の同行
・上海の銘店にて仲間たち&上海で起業し活躍されている日本人経営者の皆さんとの会食、
・90年前後のディスコ・クラブの絶頂期を彷彿としたM1NTやRichbabyへの夜のクラブ活動、

など盛り沢山、寝る間削り活動してきました。また近いうちに上海行きたいと思います。推奨!

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激しく楽しく時を過ごしたその一方で、僕は酷いストレスにも苛まれました。
解ってはいたことなのですが、中国ではtwitterとFacebookに繋がらない。これは想像以上に辛かったっす。

ネットワークに参加できない自分は、まるで目や鼻をやられた状態でした。ぶっちゃけWebにどう接していいのかすらも見失う感覚に囚われました。

では、そんな中国ではソーシャルが普及してないかというとそうではなく、独自に中国ローカルのソーシャルメディアが猛烈な勢いでいま成長しています。

その筆頭格が、中国におけるFacebookである Renren(人人網)です。今日も中国な皆さんはこれらをバリバリ活用し、情報の大海をスイスイ泳いでいます。

ソーシャルグラフとはソーシャルフィルターなのだと、最近ますます痛感してます。ループス斉藤さんのこの記事をご覧ください

インターネットによって情報が大爆発したこの世の中は『ニュースをみつけにいくのではなく、ニュースが我々を見つける時代』を迎えています。文中の『必要な情報だけがソーシャルメディアを通じて我々の目に飛び込んでくる』時代となったのです。

だからこそミクシィが9月10日に発表したRenrenと韓国Cyworldとの提携には痺れました。(これはFacebook対抗策としてはかなーり可能性がある!と思います)

加藤は、Web=情報へのゲートウェイの役割はもはや検索エンジンではなく、既にソーシャルメディアにとって替わっていることは間違いないと思います。

そして中国の当局はそのことを十二分にわかった上で、Googleを、twitterを、Facebookを 国内で利用できなくしている、のではないかと感じるのです。
(だとしたら、どんだけアタマいいんだろう・・・(;´∀`)

最近よく『空想です』と前置いた上でお話するのですけど、、、

ひょっとしたら中国という
国は 国内のネットワークと国外のインターネット網との間を遮断し、超巨大なイントラネットを作ろう、、としているのではないか、とも感じています。即ち電脳鎖国です。

国内勢力でほぼ寡占している中国のソーシャルメディアが、他国同様にWebへの玄関であるならば、それも十分に可能だろう ということです。マジで。